2015年度の化学療法センター開設にあたり、腫瘍内科も当院に新設され診療を開始しました。患者様の生活や生き方を十分にお尋ねし、大切にしたいものを護るための手段のひとつとして、抗がん剤治療の提案・提供をさせて頂きます。川崎市の皆様にご安心頂けるよう、世界的標準治療を当院でも提供できるよう研鑽に努めます。また、緩和ケア科と一体となった診療を行っており、がんによる症状緩和や精神的サポートなどにも対応していきます。
腫瘍内科では、化学療法(抗がん剤)を中心とした診療を行います。代表的な疾患は消化管および肝臓・胆道・膵臓に発生した悪性腫瘍ですが、消化管間葉系腫瘍(GIST)、消化管原発神経内分泌がん(Neuroendocrine cancer:NEC)、乳がん、婦人科がん、原発不明がんなどの診療も行っております。
食道がん:術前・術後の補助化学療法、根治的化学放射線療法、切除不能進行再発がんに対する化学療法 胃がん:術後補助化学療法、切除不能進行再発がんに対する化学療法 大腸がん:術前化学放射線療法、術後化学療法、切除不能進行再発がんに対する化学療法 肝臓がん:切除不能進行再発がんに対する化学療法(血管内治療を除く) 胆管・胆のうがん:切除不能進行再発がんに対する化学療法 膵臓がん:術後補助化学療法、切除不能進行再発がんに対する化学療法 その他:消化管間葉系腫瘍(GIST)、小腸がん、消化管原発神経内分泌がん(Neuroendocrine cancer:NEC)、乳がん、婦人科がん、原発不明がんなどに対する化学療法
世界的に「早期からの緩和ケア」が進められる中で、現在の日本においては、外来における緩和ケアの提供体制に様々な障害があることが指摘されてきました。 当院においても、緩和ケア外来に通院したいというご相談があった場合に、他院における抗がん剤治療中の患者については、現在治療中の各々の病院による対応をお願いしてきました。しかし、都内などの他施設で抗がん剤治療を受けつつも、緩和ケアについては地元で受けたいというニーズや、他院で抗がん剤治療中だが月単位では緩和ケアへの移行が必要になる例で、早めに関係性を作っておきたい、といったニーズが少なからずあることから、「早期からの緩和ケア」を外来で対応する必要性を感じておりました。 また、当院においては、今後も地域がん拠点病院としての役割を果たしていくべく、地域における緩和ケアの充実のみならず、治療に対する支持療法や意思決定支援、また通院の負担が大きい場合などの抗がん剤治療継続まで幅広く対応するために、腫瘍内科緩和ケア初診(早期からの緩和ケア外来)の枠を新設することとしました。
「早期からの緩和ケア」の提供体制については、まだどのような形態が優れているのかといった部分において、エビデンスが不十分ではあります。また、上記の体勢において、現在得られているエビデンスの範囲でも「早期からの緩和ケア」の提供としては不十分な部分もあります。その点においては今後、国内外の新規知見を参考にしつつ、また近隣の医療施設との連携を深めていくことで、より充実した「早期からの緩和ケア」の提供体制を作っていけるよう鋭意努力していく所存です。
もし、ご希望のある方がいらっしゃいましたら、当院緩和ケア担当 森/川野(代表:044-766-2188)までご連絡いただければ幸いに存じます。