各診療科より依頼されるエックス線検査を実施しています。エックス線は物質を透過する力があります。透過したエックス線で頭から足まで全身を撮影します。
○撮影時の注意事項検査の内容により湿布、カイロなど障害となる物、ネックレスや補聴器などの金属類は外し、必要に応じて検査着に着替えて撮影を行います。
フラットパネル・ディテクター搭載のデジタル透視撮影装置を導入しています。胃や大腸の透視検査、透視下での内視鏡検査、特殊造影検査等の各種検査に対応しています。
画像はデジタル化されているため、放射線被ばくを低減することができ、患者様の安全性に配慮した検査を行っています。
マンモグラフィ検査は、エックス線を使った乳房の検査です。
乳がんの罹患率は、30歳代から徐々に増加傾向にあり、40~50歳代でピークをむかえます。マンモグラフィは、触れることのできない小さな病変や早期乳がんに特徴的な石灰化の描出に有効な検査です。
乳房をできる限り薄く伸ばし、板で圧迫を行います。これにより、乳腺の重なりが分離され、病変が発見しやすくなります。また、乳房全体をしっかり観察するために、2方向から撮影を行います。乳房を圧迫する際に多少の痛みを伴いますが、痛みの感じ方には個人差があります。生理前1週間は乳房が張りやすく、痛みを感じやすいのでその期間を避けて検査を受けていただくことをお勧めします。
検査時間は15分程度です。
骨密度測定とは、骨の中に詰まっているカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分の量を、エックス線や超音波を使って測定することです。
測定部位は、腰椎、大腿骨、手の骨、腕の骨、かかとの骨など、その方法によって様々です。なかでも、腰椎は測定精度が良好で、通常は最も早く病気を発見できることから標準的です。また、大腿骨の測定は大腿骨頚部骨折の危険性を最も鋭敏に予測します。井田病院では、腰椎と大腿骨を測定しています。(測定部位が異なる場合もあります。)
測定はDXA法と呼ばれる方法で行います。これは2種類の異なるエネルギーのエックス線を照射し、骨と軟部組織の吸収率の差により骨密度を測定する方法です。この方法は最も精度の高い方法とされ、測定時間が短く、放射線を浴びる量もわずかで済むのが特徴で、骨密度測定のスタンダードとされています。
パノラマ撮影は、馬蹄形である歯列を平面に写し出す撮影方法です。大まかな歯の状態や、歯とあごの全体像を一度に把握することができます。
装置が顔の周りを回転しながら撮影します。撮影中はオルゴールが鳴りますので、その間は動かない様にしてください。眼鏡や装飾品(イヤリングなど)は外して検査を行います。
CT検査はCT装置のドーナツ状の穴に身体が入り、検査する部位に周りからエックス線を照射し身体を通過(透過)したエックス線の量を数値化しコンピュータ処理で身体の断面(輪切り状)を画像化する検査です。撮影したデータから様々な断面の画像を作成し、手術や診断の支援に活用されています。
検査には単純検査と造影検査の2種類があります。
「単純検査」は造影剤を使用しない検査で、臓器や骨、筋肉など、その形や状態を画像化します。「造影検査」は造影剤を使用する検査で、造影剤は主に腕の静脈から注射をします。 注射した造影剤は全身の臓器に分布していき、血流の状態や、血管、臓器の状態がより詳しく画像化されます。単純か造影のどちらを施行するかは、医師が検査目的により判断し決定します。同じ部位で単純・造影検査を同時に施行することもあります。
造影検査・・・約20分(造影剤を使用します)
*同時に単純と造影の両方検査を施行すると約25分かかります。
単純検査・・・約10分(造影剤を使用しません)
検査には予約が必要です。 外来診察時に医師の申し込みにより検査日が決まります。
「単純検査」で腹部が含まれる検査は、禁食としています。これは、消化管内の食べ物が診断に支障をきたすことがあるためです。検査前は、水200ml程度飲んで結構です。
「造影検査」は、検査前は禁食です。 造影剤を使用すると、副作用(吐き気、かゆみ、気持ち悪さ、発疹など)が出ることがあります。(0.1~5%未満)
副作用は注射した直後が最も多く、数時間後~数日後に症状が出る場合もあります。検査後、上記のような症状が出た場合は、平日時間内は受診された診療科へ、夜間・休日の場合は救急外来へご連絡ください。アレルギーやヨードの過敏症の方は問診のときに申し出てください。
植込み型除細動器(ICD)に直接CT検査のエックス線を当てると誤動作を生じる恐れがあるため、機器の設定変更により検査を行う必要があります。該当者は予約時に医師に申し出てください。
頭部以外の検査は、金属製のボタンやファスナーなどの付いていない衣類であればそのまま検査を行えることがありますが、必要に応じて専用検査衣に着替えていただく場合もあります。頭部の検査は、入れ歯・ヘアピン・髪飾りなどをはずしていただきます。
予約時から検査当日までに妊娠の可能性がある場合は担当スタッフにお申し出ください。 授乳中の方は、検査前にスタッフへお申し出ください。検査当日、安全確認のための問診を行います。その際、ご不明な点やご不安がある場合は、担当スタッフへお気軽にお尋ねください。
検査部位や検査内容によって異なりますが検査時間は15~40分程度かかります。
MRI検査は強い磁場の中で行う検査のため次の方は検査ができません。
次の方は検査予約時に申し出てください。
放射線(ガンマ線)を放出する薬(放射性医薬品)を静脈から少量注射し、ガンマカメラという装置の検査用のベッドに寝ていただいて、体内の薬の分布を画像にします(シンチグラフィといいます)。体内の薬がどこに、どれだけ、どのような速さで集まってくるかを調べることで、血流や代謝などの機能変化、臓器や組織の形などを知ることができます。
体内の薬は目的の臓器や器官に集まった後、時間の経過による減衰や排せつにより徐々に放射能が弱まっていき、やがてなくなります。このため、ある程度放射線による被ばくがありますが体への影響はありません。
代表的な検査に骨シンチ、心筋シンチ、脳血流シンチ、ドパミントランスポータシンチ(ダットスキャン)、ガリウムシンチなどがあります。
IVR室では手首や太腿の付け根の血管からカテーテルという細い管を入れ、そこから造影剤を入れて血管を画像化し、頭・心臓・肝臓など全身の血管の撮影や治療を行っています。
カテーテルを目的の血管まで進め造影剤を入れるため、CTやMRIよりも細かい血管を描出することができ、血管造影による画像診断だけではなく、血管内治療(IVR:Interventional Radiology)を行います。例えば、悪性腫瘍に対する抗がん剤の動脈注入による化学療法や腫瘍の栄養血管の塞栓および出血部位の塞栓術、また心臓など狭窄や閉塞した血管をバルーンカテーテル・ステントなどで広げる拡張術などを行います。
一般的な方法としては、局所麻酔をして鼠経部(脚の付け根)や肘にある動脈に針を刺し、そこからカテーテルと呼ばれる細い管を動脈や静脈へ挿入します。カテーテルを目的の部位まで進めていき、到達したところで造影剤を注入して撮影を行います。造影剤が体の中に入ると、少し熱く感じることがありますが、血液の流れとともに消えていきます。動脈からの検査、治療では、終了後の安静が出血予防の為に大切です。