当院は川崎市立病院として、災害時にも診療機能を維持・継続するために、次の対策をとっています。
なお、当院は「神奈川県災害拠点病院」に指定されており、災害時に他の災害拠点病院・災害協力病院等と連携・協力して医療を提供する任務を担います。また、「神奈川DMAT指定病院」にも指定されており、県内外で発生した災害の急性期に被災地内の災害拠点病院の支援、重症患者搬送等を行う職員が勤務しています。
院内すべての建物は震度6強の地震でも倒壊しません。病院本棟・・・免震構造(耐震構造に比べて構造体への負荷等が3分の1から5分の1程度に軽減されます。)緩和ケア病棟・・・耐震構造
病院本棟の免震構造(積層ゴム)
二箇所の変電所からの送電を受けるシステムを導入しています。
落雷等で片方の変電所からの送電が停止したときは、瞬時にもう片方の変電所からの送電に自動切替されます。
また、非常用自家発電機を有しており、1,600kwh(平常時電力の88%)の能力を備えています。外部からの電力が停止した場合には、自動的に起動して約1分後に送電を開始します。フルパワーでも3日間連続運転できる分の燃料を備蓄しています。
さらに、一瞬たりとも停電の許されない機器(手術室、人工呼吸器、透析装置等)は、無停電電源装置という大型のバッテリーを介した無停電のコンセントに接続されており、外部電力から非常用自家発電機の送電に切り替わる1分の間も停電しません。なお、無停電のコンセントは緑色、非常用自家発電機対応のコンセント(起動までの約1分間は停電)は赤色、その他の一般系統(停電時は停電)は白色というように色で識別し、用途に応じて使い分けています。
二箇所の変電所に対応した装置
非常用自家発電機
無停電電源装置
無停電(左)及び非常用自家発電機対応(右)のコンセント
清潔の確保や人工透析には欠かすことのできない水は、平常時の3日間の使用量分の水が蓄えられています。(約900立方m)
災害時に固定電話や携帯電話等が利用できなくなった際の通信手段として市の防災無線に加えて衛星電話を2台保有しています。毎月通信訓練を行い、多くの職員が使用方法を習得しています。
有用な設備や高度な機能を活用し、災害拠点病院としての役割を確実に発揮できるように通常毎年1回、病院長以下多数の職種の職員が参加する実践的な災害医療訓練を行っています。消防局職員や看護専門学校学生など当院職員以外の方に参加いただくなど大規模な訓練となっています。
訓練の様子