院長 伊藤 大輔

川崎市立井田病院は昭和24年に開設、「森の病院」をテーマに平成21年に着手した改築工事は平成24年新棟開院、27年全面開院を経て立体駐車場・保育所・外構工事も令和3年に全て終了いたしました。

開設時より市内で唯一の結核病棟を有し、平成18年には地域がん診療連携拠点病院に指定され予防から診断、治療、緩和医療、在宅医療まで、切れ目のないがん診療を構築するなど特色ある医療活動を展開する383床の中核病院ですが、改築を機に救急外来と一体化した救急対応病棟を整備するなど、2次救急医療に幅広く対応、手術支援ロボットなど先進医療機器の導入、内視鏡センター、化学療法センター、透析センターなど地域の皆様の多様なニーズに対応できる高度診療機能の充実に努めております。

また、昨年は川崎市立3病院が連携してヘリポートを活用した災害訓練を実施、本年1月には当院DMAT隊が珠洲市に派遣されるなど、災害医療に対する機能も高く、神奈川県災害拠点病院としても期待されるところです。

さらに以前から在宅医療に先進的に取り組んできた当院は地域包括ケア病床を活用して地域医療の後方支援を積極的に取り組み、地域在宅医療の中核としての役割も果たしています。

一方で臨床研修指定病院として初期臨床研修医教育、認定看護師、特定看護師の育成など教育環境の充実、地域医療関係あるいは地域住民向けの各種セミナーなどの啓蒙活動を通じて地域の医療水準の向上にも寄与しております。このように地域医療機関との連携を重視し、お互いに機能を補完し合いながら地域医療を守ってきた実績が評価され、令和6年3月には地域医療支援病院の承認を受ける運びとなりました。

今後も地域医療機関の先生方との連携をさらに密にして、地域全体で市民の皆様の健康を守って参りたいと存じます。引き続きご支援とご協力をよろしくお願いいたします。

令和6年5月


川崎市立井田病院
院長 伊藤 大輔